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  • ブロブ2017/8/28 少しでも刺激になったのなら、


ウインドウ越しに店内の様子を
“じーっ”と伺っている
外国の女の子(アメリカ人?)がいました。

入る決心?をして、
ドアの前まで来るのですが、
なかなか入ってきません。

とても警戒している様子です。

 

しかし、ようやく、
ドアのノブをゆっくり押し下げ、

少し開いたドアの隙間から顔を覗かせながら、

“ハ〜ィ”と小さな声であいさつして、
店に入って来ました。

 

緊張しながらも、

玄関のすぐそばにあるアクセサリーから
ゆっくり一点一点、
確認しながら見て行きます。

決して手に取ることなく、
じっくりと物を見定めています。

 

そうして、
店を半分廻ったところで、
アールデコの大理石をあしらった家具を前に、
足が止りました。

アンティークの引き立て役である
黒い大理石に魅せられた様です。

 

一瞬、触ろうとしますが、
すぐに手を引き下げてしまいました。

女の子にとって
触れると言う大胆な行動が、

凄い度胸を必要とするのも
今までの行動から良く分かります。

触れてみたい気持ちが
背中越しから伝わっていました。

 

そして、
やっとの思いで
大理石をさっと“ひと撫ぜ”

それはそれは
はかないものを触る様に、

羽で撫ぜたような優しいタッチでした。

 

これ程の柔らかなタッチを
目にした事はありません。

恐々とか、緊張した類いの物では
有りません。

 

触ってみたいと思う”強い気持ち”と
”普段の心”がなせる

“仕種(タッチ)”であった様に思います。

 

そうして、
一周した後、帰って行くのですが、

もっとここにいたそうな
ためらいのある表情を浮かべていたのも
印象的でした。

 

この女の子、

“美しい物”に囲まれた
ちょっぴり“緊張感のある空間”が
心地良かったのでしょうか?

大理石に触れる事で
“美しい物”を実感したかったのでしょうか?

 

何はともあれ、
この女の子にとって
少しでも刺激になったのなら、

店をしていて良かったと
思います。

 

さて、
29日からパリへ行きます。

“この女の子の様な心境”

思わず触れてみたいと思う物に
出会えるのを期待しつつ、、、